研究課題/領域番号 |
16H03981
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
梅原 さおり 大阪大学, 核物理研究センター, 准教授 (10379282)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | フッ化カルシウム結晶 / 二重ベータ崩壊 / 無機シンチレータ / 高純度 |
研究実績の概要 |
本研究では、濃縮48Caの化学形態である塩化カルシウムから、フッ化カルシウム結晶を製造する技術を確立する。また、その結晶の、二重ベータ崩壊測定のための性能を評価することを目的とする。二重ベータ崩壊測定のためには、フッ化カルシウム結晶は透過率が高い必要がある。これは、フッ化カルシウム結晶からの蛍光を減少させずに検出するためである。また、この結晶は含有放射性不純物が少ない必要がある。これは、放射性不純物が、二重ベータ崩壊測定のバックグラウンド起因となるのを避けるためである。そのために、1、放射性不純物であるウラン・トリウムの低減(低放射能化)、2、塩化カルシウムから結晶化する技術の開発(高透過率化)、を行う必要がある。本研究ではイオン交換樹脂を用いた泳動過程によって実現する。 本年度は下記を行った。 低放射能化:異なるフッ化カルシウム原料から製造したフッ化カルシウム結晶の不純物測定を行った。また、これは、フッ化カルシウム結晶内部の放射性不純物である、214Bi→214Po(半減期164μsec)、および、220Rn→216Po(半減期145msec)の連続崩壊を測定することで行った。なお、来年度も継続してフッ化カルシウム原料選定を行う。 塩化カルシウムから結晶化する技術の開発:塩化カルシウムから結晶化する技術開発として、塩化カルシウム→塩素を分離→酢酸カルシウムとして回収、のテストが必要である。そのため、本年度は、泳動システムとイオン交換樹脂を用いて、塩化カルシウムから塩素の弁別を行った。結果、カルシウム溶液の流速を調整することで、吸着量は低いものの、イオン交換樹脂にカルシウムのみを吸着させることに成功した。また、イオン交換樹脂から確実にカルシウムを脱着させることに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
陰イオン交換樹脂を用いて塩素を吸着させる予定であったが、結果的には陽イオン交換樹脂でカルシウムを吸着させることとなった。生産効率は下がるが、不純物の低減効率は高いため、総合的には、予定通り進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
生産量が予定より少ない分、泳動システムを大型化する必要ができた。段階的に大型化することで、カルシウム分離量を増やせるようにシステム開発を進める。
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