研究課題
J-PARC ハドロン実験ホールの拡張計画は、現在の狭隘なJ-PARCハドロン実験施設を約3倍の面積に拡張するとともに、新たに2個の生成標的を設置し、二次ビームラインの数を増大させ、また実験エリアも十分に拡張し、世界最高水準の実験設備を余裕を持って設置可能とし、もって世界超一級の研究成果を量産しようという大計画である。本研究計画は、拡張されたハドロン実験ホールに設置されるビームラインやその周辺設備に関して、詳細な設計を行うことを目的とする。具体的には、拡張されたハドロンホールで展開される新しい物理に提供されるべき一次、二次ビームの強度、ビームの質、等についての定量的な検討を行うと同時に、研究者コミュニティーからの意見を反映しつつ、ビームライン設計の最適化を実施する。さらに建屋について土木的、建築的な観点からの検討も行い万全を期すものである。令和元年度は、計画の最終年度であるので、特にこれまで提案してきたビームラインを用いた研究に関して、具体的な提案(Letter of Intent)を募り、各ビームラインにおける物理とビームラインの持つべき性能の整合を具体的に検討した。と同時に、特に二次ビーム強度に関しては、使用する二次粒子生成標的の冷却性能に左右されるので、回転標的のより高性能な冷却要素を試作するなどして、その実現可能性を探った。研究進行状況については、学会(国際会議を含む)、研究会等で、設計・検討状況の発表を行うと同時に、施設全体を網羅する全体会合を持つなどして、内外の研究者コミュニティーからの幅広いフィードバックを求めた。これらの努力の結果、「拡張計画」は学術会議の「第24期学術の大型研究計画に関するマスタープラン」中の31の重点大型計画のひとつに「大強度陽子ビームで究める宇宙と物質の起源と進化」として選定され、本研究の当初目標の一つを果たせた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
拡張ハドロンホールでの実験計画に関する提案書(LOI)の収集は次のarXivに投稿され閲覧可能である。P. Achenbach, et al., 2019, arXiv:1906.02357.学術会議のロードマップ2020の31大型計画に選ばれた結果は次の場所にある。http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t286-2-2-13.pdf
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IEEE Transactions on Applied Superconductivity
巻: Vol. 30, Issue: 4 ページ: 1-5
10.1109/TASC.2020.2970334
https://kds.kek.jp/indico/event/21408/material/1/1.pdf
https://kds.kek.jp/indico/event/23853/material/2/0.pdf