研究課題/領域番号 |
16H03993
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
伊藤 領介 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (90193531)
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研究分担者 |
両角 卓也 広島大学, 理学研究科, 准教授 (20253049)
野尻 美保子 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (30222201)
早坂 圭司 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (40377966)
石川 明正 東北大学, 理学研究科, 助教 (40452833)
田中 実 大阪大学, 理学研究科, 助教 (70273729)
堺井 義秀 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (90170571)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 新物理探索 / 統合解析 |
研究実績の概要 |
統合解析を行うフレームワークに組み込む新物理模型のコードの開発を中心に行った。 特にドイツグループの開発したEOSと呼ばれる新物理模型のコードを、EvtGenとよばれるB中間子の崩壊過程を再現するモンテカルロイベントジェネレーターに組み込むことに成功した。この結果として新物理のパラメータであるWilson Coefficientを与えることにより、Belle II実験で新物理の探索に使用されるB->K*l+l-崩壊の終状態の角度分布を再現できるようになり、統合解析によりパラメーターの値を決めるようにするための土台を整えることができた。 また多変量解析を用いた統合解析フレームワークの開発に着手した。TMVAと呼ばれる高エネルギー実験のデータ解析に用いられている多変量解析のソフトウェアを使って、実験から得られる生データに対して多変量解析をおこなうことで、新物理のパラメーターが決定できることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
EOSモデルの組み込みにおいて、開発者であるドイツグループと打ち合わせを行う必要があったが、日程調整に手間取ったため、組み込みのスケジュールが半年以上遅れている。また多変量解析の基本的なアルゴリズムを供給するコードについても独自開発の予定であったが、満足の行くものができなかったため、すでに使用されているもののサーベイを行い、TMVAを選定するまでに時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
EOSを中心とした新物理モデルの拡張を進めていく。EOS自身の持つ他の新物理模型のコードの組み込みを進めるとともに、本研究で独自に開発を進めている新物理模型のコードの組み込みを進めていく。また統合解析のフレームワークにTMVAを組み込む作業をすすめ、これに新物理模型を組み込んだイベントジェネレーターの出力を取り込んで新物理模型のパラメータを多変量解析により決められることを実証する。
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