研究実績の概要 |
超高圧下の高温超伝導現象として、(1)ダイヤモンドアンビルを使ったNMR測定技術の開発および(2)鉄系や銅酸化物の高温超伝導体で興味もたれている圧力下の測定も並行して展開している。(1)に関しては、手始めにダイヤモンド間の大きな体積に重水(D2O)をつめた10GPa以下の低圧力を発生させたダイヤモンドアンビルとその周囲に巻いたNMRコイルで測定を行い、重水素2DのNMR信号の観測に成功した。現在より高圧域を目指してさらに小さな空間に試料を置き、様々な条件下およびセッティングを変えて最も信号の最大になる条件およびセッティングを探し、極微サイズの銅コイル、同等形状のタングステンコイルの方式も試した。ガスケットとして一般に使われるレニウムは、大きな電気四重極相互作用のためNMR測定には不向きであることがわかり、タングステンに変更した。(2)に関しては、インターカレートしたFeSeの圧力下での第2超伝導相の研究に向け、これまでに常圧下での試料評価と圧力下測定に向けた微小試料でのNMR測定を行っている。超高圧下での精密測定に向け、NMR測定の線幅に影響する不純物を磁石で取り除くことで共鳴線幅が大幅にシャープになることがわかり、準備が整ってきた。[1] 国際会議発表2件 (招待講演1件, ポスター講演2件) [2] 国内会議発表8件 (招待講演1件, 一般口頭講演8件, ポスター講演6件) [3] 学術論文(査読有り)2件 (原著論文1件、査読付きproceedings 1件)
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