• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

液液接触架橋・溶解過程として捉えられる血液の凝固と線溶

研究課題

研究課題/領域番号 16H04031
研究機関群馬大学

研究代表者

土橋 敏明  群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (30155626)

研究分担者 外山 吉治  群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (50240693)
槇 靖幸  群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (50400776)
山本 隆夫  群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (80200814)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード血液凝固 / 接触 / 架橋 / ゲル化 / ダイナミクス / スケーリング
研究実績の概要

液液接触架橋による血液凝固(ゲル化)系の対照系となる血漿/透析膜/塩化カルシウム水溶液系をモデルとしてゲル形成ダイナミクスの測定、理論の構築及び実験結果の解析を行った。
1.2相の接触界面から成長する白濁層とゲルの体積がほぼ等しいことからゲル形成ダイナミクスを白濁層の成長のダイナミクスに置き換えて解析することが可能であることが確認された。
2.セル長の異なる矩形セルを用いてゲル形成過程における溶液の挙動をインターバル撮影することにより、ゲル層の幅の成長を求めた。ゲルの厚みをセル長、時間をセル長の2乗でスケールすることによりサイズによらないゲル形成ダイナミクスが得られることがわかった。このことにより界面移動描像による理論の仮定の妥当性を確認した。さらに、このモデル系を、旅行者血栓症のモデルとなる血漿/パック赤血球系に応用し、同様な実験を行うことにより凝固初期過程の解析が可能であることを確かめた。
3.血液凝固の最終段階である「トロンビン作用によるフィブリンクロット形成(ゲル化過程)」を水晶振動子マイクロバランス法を用いて測定することにより、これまでの測定では困難であった分子軸方向に成長するプロトフィブリルの形成からプロトフィブリル同士のラテラル方向への集合への変化を経時的にとらえることができた。このことにより、2.で得られたゲル形成ダイナミクスの初期過程の解釈が可能になった。
4.血液循環モデル系を作製しバッチモデル系との比較が可能になった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

部分的に実験手法を変更したが、必要とされたデータの取得ができ、研究はほぼ予定通り進められた。血液循環系における実験についてはデータの取得まではいかず実験系の構築までしか進められなかったが、一方で、旅行者血栓症のモデル系での実験ができるようになり、応用面で期待を抱かせる結果が得られた。

今後の研究の推進方策

全体としては、当初研究計画のとおり進めていく予定である。やや遅れている血液循環系での実験結果は、既に実験系ができていることから平成29年度前半には終了する予定である。一方で、旅行者血栓症モデルでの実験が可能になったことから、応用面での計画を前倒しして倫理委員会審査で承認を経て、試料を動物血液からヒト血液に代えて実験する計画である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Small-angle X-ray and Light Scattering Analysis of Multi-layered Curdlan Gels Prepared by a Diffusion Method2017

    • 著者名/発表者名
      Y. Maki, K. Furusawa, T. Dobashi, Y. Sugimoto and K. Wakabayashi
    • 雑誌名

      Carbohydrate Polym.

      巻: 155 ページ: 136-145

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.carbpol.2016.08.061

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of Urea and NaCl on the Fibrinogen Cryogelation2017

    • 著者名/発表者名
      Y. Toyama, M. Shimizu, M. Ochiai and T. Dobashi
    • 雑誌名

      J. Biorheol.

      巻: 31 ページ: 印刷中

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Coagulation of plasma induced by a contact with calcium chloride solution2016

    • 著者名/発表者名
      N. Shida, R. Kurasawa, Y. Maki, Y. Toyama, T. Dobashi and T. Yamamot
    • 雑誌名

      Soft Matter

      巻: 12 ページ: 9471-9476

    • DOI

      10.1039/C6SM01926A

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] マイクロカプセルの科学-接触・拡散による壁膜ゲル形成、物質放出、吸着のダイナミクス-2016

    • 著者名/発表者名
      土橋敏明
    • 学会等名
      第18回 レオロジー・フォーラム
    • 発表場所
      大阪大学、大阪
    • 年月日
      2016-10-28
    • 招待講演
  • [学会発表] ソフトマターとしての血液の凝固と線溶2016

    • 著者名/発表者名
      土橋敏明・倉沢隆太・石下咲耶・槇靖幸・外山 吉治・山本隆夫
    • 学会等名
      第67回コロイドおよび界面化学 討論会
    • 発表場所
      北海道教育大学旭川校、旭川
    • 年月日
      2016-09-22 – 2016-09-24
  • [学会発表] 血漿と塩化カルシウム水溶液との接触界面からの凝固のダイナミクス2016

    • 著者名/発表者名
      倉沢隆太, 志田奈津美, 外山吉治, 槇靖幸, 山本隆夫, 土橋敏明
    • 学会等名
      第39回日本バイオレオロジー学会年会
    • 発表場所
      東海大学校友会館、東京
    • 年月日
      2016-06-18 – 2016-06-19

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi