研究課題
海面における短波・長波放射収支および降水量と密接に関係する気象場、雲について詳細に解析した。また、船舶観測、Agroフロートデータも用いて海洋混合層の解析を行なうとともに、大気海洋領域モデルによる数値シミュレーションを実施し、大気から海洋混合層までの大気海洋鉛直構造、および熱収支・水収支と海洋混合層の関係を解明した。(1)MODIS等の衛星搭載可視赤外イメージャーの解析結果とCloudSat衛星の雲レーダー、CALIPSO衛星のライダーの解析結果を比較解析し、雲の多層構造を解明する。また、ドリズルを含む降水量の定量的評価の精度向上を図る。これらの結果をもとに、雲の海面熱収支へ及ぼす影響を評価した。(2)今までに得られた船舶観測データを総合し、雲を含む大気下層の構造の詳細を解析する。また、船舶観測データおよびArgoフロート観測データを用いて海洋表層の熱収支の構造と時空間変動を解明した。(3)雲の数値シミュレーションにより、海面熱収支と雲関係を解明する。また、上記各種観測データの解析結果と比較することにより、海洋混合層、海面の熱収支・水収支、雲と大気の時間変動について相互に比較し、その差を考察することにより、雲から海、海から雲へのフィードバックメカニズムを大気海洋の鉛直構造も含めて解明した。(4)3年間の研究を総括した結果、今まで海面水温と大気の安定度といった比較的単純な視点で解析されてきた夏季北太平洋の下層雲は、西部と中央部で微細構造が異なることが示された。また、北太平洋西部では西岸境界流である黒潮および黒潮続流が支配的であり、雲の変動が海に及ぼす影響は少ない。一方、北太平洋中央部では、海洋混合層が浅く、海面水温も雲に影響を及ぼすが、雲の変動も海洋混合層に影響を及ぼすことが示唆された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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