オパール試料について封圧150 MPa、間隙水圧50 MPa、温度25~200℃、軸方向変位速度0.1~10 μm/sの条件で三軸摩擦実験を行った結果、温度上昇または変位速度低下に伴って摩擦強度が増大するとともにすべりが不安定化し、150℃以上の温度で(地震性断層運動に対応する)固着すべりが観察された。また、100℃以上の実験後試料に圧力溶解に起因するガウジ粒子の癒着が認められた。 以上の結果は、温度上昇または変位速度低下に伴って断層帯構成粒子の癒着により摩擦強度が増大し、その結果速度強化から速度弱化への摩擦挙動の遷移、すなわち非地震性から地震性への断層運動遷移が促進されることを示唆している。
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