研究課題/領域番号 |
16H04066
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
石川 剛志 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 研究所長 (30270979)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地震 / 断層 / 地球化学 / 流体岩石相互作用 / 摩擦溶融 |
研究成果の概要 |
地震は断層が滑ることで生じ、断層の岩石には過去に起こった地震現象が記録されている。本研究では、日本のような沈み込み帯において地震時の断層の滑りに大きな影響を与えると考えられている断層と水(流体)との相互作用、および断層の溶融を、断層岩の化学分析に基づき評価する手法の構築を行った。流体との相互作用については、地震時の高速滑りの摩擦熱による350℃以上のものから、非地震性滑りに関係した比較的低温のものまで包括的な理解を可能とした。また、リチウム・ホウ素同位体比が新たな評価指標となり得ることを示した。摩擦熱による断層の溶融については、地球化学的モデリングに基づく評価法を世界で初めて確立した。
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自由記述の分野 |
地球化学、岩石学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
摩擦熱による流体圧上昇(熱圧化:thermal pressurization)や摩擦溶融は、沈み込み帯の地震時において断層強度を著しく低下させることで断層の破壊伝播を促進し、巨大津波の発生にもつながると考えられている。しかしながら、前者にあっては地震時に存在していた流体が地震後に断層から散逸すること、後者にあっては溶融の痕跡が断層の変質により失われることで、地震断層においてそれらの履歴を評価するのは困難であった。本研究は、断層岩の化学分析に基づく新手法を提供することでそれらの定量的評価を可能とし、津波を誘起する大きな断層滑りの履歴の把握など、防災・減災上有用な情報の取得につながる。
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