研究課題/領域番号 |
16H04097
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小堀 康博 神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 教授 (00282038)
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研究分担者 |
岩田 達也 東邦大学, 薬学部, 准教授 (20569917)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | クリプトクロム / 光電荷分離 / 時間分解電子スピン共鳴 / 電子的相互作用 / 立体配置 / 運動性 |
研究実績の概要 |
本研究では時間分解EPR法(TREPR)を用いて、野生型Xenopus laevis CRY-DASHに異なる温度で生成する二つの電荷分離状態を観測した。得られた信号の帰属を行うため、末端トリプトファンであるW324をフェニルアラニンに置換した変異体と、W377をフェニルアラニンに置換した変異体のTREPR測定を行った。測定結果より、温度240 KではW324とFADの電荷分離状態(FAD- W400 W377 W324+)が、温度120 KではW377とFADの電荷分離状態(FAD- W400W377+W324)が生成していることが分かった。各電荷分離状態について、 スピン緩和と電荷再結合の影響を受けた量子コヒーレンスや量子分布および、マイクロ波による電子スピンの横方向磁化の時間発展を、一重項(S)および3つの三重項(T)スピン関数を基底とする回転座標系の確率Liouville方程式で解析した。 (FAD- W400 W377+W324)の電荷分離においては、交換相互作用(J)の値が時間変化とともに減少する様子が観測された。これは、ラジカル間の電子軌道の重なりがこの時間領域で徐々に減少するように分子がわずかな構造変化を起こすことを示している。このような低温領域におけるアミノ酸残基の再配向運動は室温領域では高速化されることが期待される。このため室温領域で観測されたFAD- W400 W377 W324+の生成には、前駆状態FAD-W400W377+W324におけるW377+の再配向運動が高速な電荷解離に重要な役割を果たすものと結論付けた。 また、各電荷分離状態のシミュレーションパラメータを用いて電子スピン分極イメージング図を作成し立体構造解析を行った。インタースピンベクトル(d)の向きや、超微細相互作用の異方性を画像に反映することでTREPR測定から分子配向を含めた電荷分離構造の詳細を得ることができた。
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現在までの達成度 (段落) |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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