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2016 年度 実績報告書

機能性メタロマクロサイクルクラスターの創製

研究課題

研究課題/領域番号 16H04115
研究機関東京工業大学

研究代表者

今岡 享稔  東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (80398635)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードナノ粒子 / クラスター / 触媒
研究実績の概要

原子数明確なクラスターの化学的な自在合成を達成するための前駆体として、オクタンチオールを配位子とした白金多核錯体の合成を行なった。分取HPLC (SECカラム)を用いて精製を行うことで、核数5から13までの環状白金チオラート錯体を単離することに初めて成功した(6核と8核については他の配位子で実績が既にある)。得られた多核錯体はすべてMALDI-TOF-MS、NMR、元素分析測定により完全に単一分子量、単一組成であることが確かめられた。
蛍光測定では核数ごとに異なる発光特性が得られており、低温では長寿命の燐光も観測された。電気化学測定を用いた酸化還元電位では偶奇性も観測されており、環状π共役分子としてのユニークな特性も発現していることが明らかとなった。
上記を早期に達成することができたので、引き続きクラスターへの変換についても着手を開始した。担体としてKetjenblack (カーボン) を用い、各核数のチオラート錯体を一定の担持濃度で担持し、電子顕微鏡(STEM)によって分散状態を確認した。結果、担持は比較的均であることが確かめられ、表面密度はチオラート白金成分のカーボンに対する質量%でコントロールでき、0.4wt%から1.8wt%までは均一性を保つことが判明した。担持密度が非常に高い場合は凝集により、得られるクラスターの核数は所望のものから変化してしまうことが予想されるが、密度を低下させることによってこの凝集を抑制することができると考えられる。今後、この制御を行なっていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初計画よりも短期でチオラート錯体合成を達成することができた。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、クラスターの合成、および合金クラスターへの展開を進める。計画以上に進展していることから、合金クラスターの展開は当初計画よりも拡充する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Transformation of Size-controlled Platinum Clusters on the Surface Ligand-exchange Reactions2016

    • 著者名/発表者名
      T. Imaoka, S. Tsuchiya, K. Yamamoto
    • 雑誌名

      Chem. Lett.

      巻: 45 ページ: 1450-1452

    • DOI

      10.1246/cl.160822

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Atomically-Precise Synthesis of Ptn (n = 5-12) Clusters by Reductive Calcination of Cyclic Multinuclear Platinum Complexes2017

    • 著者名/発表者名
      赤沼友貴, 今岡享稔, 山元公寿
    • 学会等名
      日本化学会第97春季年会
    • 発表場所
      慶應義塾大学 日吉キャンパス
    • 年月日
      2017-03-17
  • [学会発表] 環状白金チオラート多核錯体を前駆体としたPtn (n = 5-12) クラスターの精密合成2016

    • 著者名/発表者名
      赤沼友貴, 今岡享稔, 山元公寿
    • 学会等名
      第6回CSJ化学フェスタ
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      2016-11-15
  • [学会発表] 環状白金チオラート多核錯体を前駆体とした白金クラスターの合成2016

    • 著者名/発表者名
      赤沼友貴, 今岡享稔, 山元公寿
    • 学会等名
      錯体化学会第66回討論会
    • 発表場所
      福岡大学 七隈キャンパス
    • 年月日
      2016-09-10
  • [産業財産権] 10以下の金属原子からなる金属サブナノ粒子触媒の合成法2016

    • 発明者名
      山元公寿、今岡享稔、石原健太郎、岡安岳史
    • 権利者名
      山元公寿、今岡享稔、石原健太郎、岡安岳史
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2016-163735
    • 出願年月日
      2016-08-24

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公開日: 2018-12-17  

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