研究課題
基盤研究(B)
風力や太陽光など,安定供給に難のある再生可能エネルギーを有効に利活用するため,電気エネルギーを化学エネルギーに効率よく変換する多電子酸化還元触媒の開発が求められている。本研究では,一分子中に複数の金属イオンを含むクラスター錯体を研究開発の中心に据え,触媒開発のための基礎研究を推進した。具体的には,高い酸素発生触媒能を示す鉄五核クラスター錯体に対して,配位子部位への官能基導入もしくは金属イオンの置換を行い,それらの構造変化が触媒能に対してどのような影響が表れるかを調査した。
錯体化学
本研究「クラスター錯体によるエネルギーキャリアのテーラーメイド合成」では、新規クラスター錯体の設計、合成、構造解析、電子状態解析ならびに触媒機能評価という一連のプロセスを経て、クラスター錯体の多電子酸化還元触媒としての潜在能力を顕在化させることに成功した。本研究成果は、再生可能エネルギーを主たるエネルギー源とした次世代エネルギー循環社会の構築に向け、重要な学術的/社会的意義があるといえる。