研究課題
キラルな結晶性集合体は、キラル化合物の分離や不斉合成、円偏光発光材料などに応用されている。また、外部刺激によってキラルな結晶性集合体を制御することができれば、材料が持つキラル特性の任意なスイッチングに繋がるため、非常に有用である。本研究では、ピラーアレーンの面不斉を利用した刺激応答性キラルな結晶性集合体の創成を目指した。ピラーアレーンの置換基に不斉炭素及び光応答性部位であるアゾベンゼンを導入したピラーアレーンを合成した。このピラーアレーンは、フィルム状態では配列しないが、アニーリングすることで、キラルな結晶性集合体を形成することが分かった。また、紫外光を照射すると、アゾベンゼンの異性化に伴い、キラル集合体が崩壊した。さらに加熱を行うと、再びキラルな結晶性集合体を形成することが分かった。これにより、熱・光刺激によりキラルな結晶性集合体の構造スイッチングが可能であることが分かった。キラルな結晶性集合体のキラル認識能を接触角測定から行った。アニーリングするとキラル液体のキラリティーに応じて接触角に差が見られた。一方、紫外光を照射すると差が見られなくなった。これらの結果より、キラルな結晶性集合体を形成すると結晶表面にキラリティーが伝搬し、キラルな結晶性集合体が崩壊すると結晶表面のキラリティーが無くなることが分かった。以上より、熱・光刺激によるキラルな結晶性集合体の形成・崩壊に伴い、キラル特性のスイッチングが可能であることを見出した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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