研究課題
昨年度の成果から予定通りに研究を進め、拡張パイ共役系分子に対し、ヘテロ原子やヘテロ環および金属元素を組み込むことにより、金属電子的特性を共役系に付与した新しい機能性材料を創生することを目的に、アセチレン、芳香環、白金元素が共役系で連結された新規ヘテロ原子複合分子を合成した。この新分子では良好なリン光発光特性が見られるとともに、400度下での熱安定性も観測され、次世代リン光材料開発に大きな進展となることが期待される。またポリビニレンスルフィド合成では、良好な共役系拡張が見られたとともに、パラジウムの硫黄部位への配位に基づく吸収スペクトルの追跡に成功し、電子移動に基づく消光現象を観測した。1H NMRのスペクトルのシフトが確認され、共役系遷移金属が形成していると考えられる。一昨年度のカルボニル基導入反応についてはさらに研究が進展し、配向基が存在しないチオフェンやフランなどのヘテロ環式化合物のC-H結合活性化反応についても検討したところ、チオフェン環上のC-H結合活性化と、それに続く一酸化炭素挿入に関する触媒反応が可能となった。フルオラス化合物については、Wittig反応に着目し、反応終了後に副生するフルオラスリンオキシドを回収するため、分液操作に用いる有機溶媒を検討した。種々のフルオラス溶媒および有機溶媒を検討した結果、フルオラス溶媒にFC-72とNovec 7100 の混合溶媒を用いることで、フルオラスリンオキシドがフルオラス相に高効率で分配した。そこでWittig反応を行い副生するフルオラスリンオキシドの分離操作による除去、および回収・再利用を検討した。反応終了後、目的物の生成を確認するとともに、93%のフルオラスリンオキシドを回収した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 4件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 4件) 備考 (1件)
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