研究課題
磁性イオンを含むコロネン陽イオンラジカル塩(coronene)(FeBr4)を電解酸化法により開発した。+1価コロネン分子は積層構造を形成しており、半導体的ではあるが高い伝導性を示した。この塩は、FeBr4陰イオン由来の反強磁性転移(TN = 5.4 K)を示す。結晶構造データをもとに分子間交換相互作用を計算した結果、コロネン陽イオン…FeBr4陰イオン間のπ-d相互作用がこの磁気秩序の一因であることを見出した。FeBr4陰イオンの代わりに陰イオンFeCl4陰イオンを用いた場合には、5:2塩(coronene)5(FeCl4)2が得られた。多環芳香族炭化水素(PAH)系における光励起状態の準位構造と分子構造の関係について系統的な知見を得ることを目的に、PAH膜状試料の電場変調分光測定を行った。今年度は、コロネン分子をポリマーゲル中に孤立分散させた膜を作製し、電場変調吸収測定を行った。π共役が拡張したt-ブチル置換ヘキサ-peri-ヘキサベンゾコロネンについては、PMMAに分散させて電場変調吸収測定を行った。前年度までに測定済みの低対称ベンゾ[ghi]ペリレンの結果と合わせて解析を行った結果、電場変調吸収スペクトルは離散準位モデルによって再現され、一光子遷移禁制準位の位置を特定することができた。これにより、分子サイズと一光子遷移禁制準位の位置の相関を明らかにした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 3件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)
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