世界の医薬品市場では,抗がん剤や免疫抑制剤などの光学活性医薬品の需要が急増しており,光学活性体を簡便に効率良く得ることができる手法の開発が熱望されている。本研究では,有機結晶の特性を活かした新しい光学活性化合物の創出方法の開発を目的として独創的な研究を行った。本研究による不斉発現と増幅の手法は,有機化学者だけでなく国内外の多くの科学者に大きなインパクトを与える独創的な手法であり,不斉有機合成分野のブレークスルーとなる。さらに本研究により開発された新しい絶対合成の手法は,自然界の高度なホモキラリティー発現にも関連し,学術的に大きな意義を有している。
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