研究課題
近年円偏光発光(CPL)性機能材料の研究が活発である。発光性高分子、分子、金属錯体は、基底状態(S0)の不斉構造に由来する円二色性(CD)を、励起状態(S1)の不斉構造に由来するCPL特性を示す。CD/CPL特性の付与には化学的不斉源を用いるため、CPL信号の発生・消去・符号反転・固定の可逆な制御は困難である。物理バイアス(光、電場、磁場)であればこれらの特性制御が可能になる。本研究では円偏光源によるCPL信号の保持と反転を含むCPL信号誘起/消去/反転/固定を完全制御するため、基底状態(S0)では2-3kcal/mol(単結合当り)程度の回転障壁を持ち、CD不活性な蛍光性高分子や蛍光性オリゴマーを用い、円偏光源の波長選択により10^-15秒で励起状態(S1, S2...)にしたのち、回転・振動モード(10^-15秒)によりCPL信号が最大になる最低振動励起準位(S1(v'=0))に落ち込み、左右にねじれた準安定構造(寿命:10^-8秒)となり、S0(v=0,1,2)状態ヘ緩和してCPL発光する機構を考案した。1. 基底状態と励起状態の不斉構造は同一とは限らず、逆転、あるいは常に同一の負符号のみを示す現象を見出した。2. 円偏光源の励起波長によって非フォトクロミックの高分子、オリゴマー、低分子にも不斉性が誘起され、その左右性が励起波長で支配されるとの一般性を実証した。3. Mislowが提唱したCryprochiralityの概念を証明するため、近畿大学グループと共同で、基底状態ではCD不活性だが励起状態ではCPL活性な不斉分子系をいくつか見出した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 5件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
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