研究課題/領域番号 |
16H04177
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
上野 隆史 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (70332179)
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研究分担者 |
古田 忠臣 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (10431834)
森 肇 京都工芸繊維大学, その他部局等, 副学長 (80201812)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | タンパク質工学 / タンパク質結晶 / 超分子化学 |
研究実績の概要 |
多層化多角体結晶を作成するためには、多角体が細胞中で大量の夾雑物の中にありながらも円滑に結晶成長が促進されるメカニズムを理解することが必要不可欠である。そこで、細胞内の多角体結晶の詳細な形成過程を透過型電子顕微鏡 (TEM)によって追跡した。光学顕微鏡観察では昆虫細胞にウイルスが感染後、数日程度で多角体結晶が細胞内に観測されることがわかった。そこで、ウイルス感染後に異なる経過時間で細胞を化学固定化処理し、TEMによって多角体結晶の成長を観察した。特に、本測定では結晶核の細胞内成長を追跡するために、数十~百nm程度の結晶を見出すことに成功し、結晶の三次元成長を解析した。あわせて、外来蛋白質の効率的な内包条件を見出すために、多角体結晶の細胞内局在や結晶表面構造の詳細な観察を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多層化多角体結晶を作成するためには、多角体が細胞中で大量の夾雑物の中にありながらも円滑に結晶成長が促進されるメカニズムを理解することが必要不可欠である。そこで、細胞内の多角体結晶の詳細な形成過程を透過型電子顕微鏡 (TEM)によって追跡した。特に、本測定では、実験条件を最適化し、結晶核の細胞内成長を追跡するために、数十~百nm程度の結晶を見出すことに成功し、結晶の三次元成長を解析した。あわせて、外来蛋白質の効率的な内包条件を見出すために、多角体結晶の細胞内局在や結晶表面構造の詳細な観察を行った。
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今後の研究の推進方策 |
精密多層構造を有する多角体結晶の作成(1)蛋白質内包の多層構造設計 多角体病ウイルス遺伝子の異なる遺伝子群を利用し、外来蛋白質や、多角体変異体の細胞内の発現順序を遺伝子工学的に制御し、精密な多層集積構造を有する多角体結晶を作成する。結晶化追跡のため、当初は多角体結晶への取り込み能を有することがわかっているH1ヘリックスを融合した蛍光蛋白質H1-GFPやH1-DsRedの遺伝子と、溶解度が異なる多角体変異体の遺伝子をそれぞれ多角体病ウイルス遺伝子へ導入し、その形成を共焦点蛍光顕微鏡で確認する。さらに、前年度に得られる結晶化メカニズムを考慮し、多層多角体結晶作成の最適化条件を見出す。
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