液体蛍光色素を内包した有機蛍光ナノ粒子の創製を目指した.蛍光ナノ粒子の粒径はトリアルキルシリル置換ピレンの粘度に強く依存し,低粘度液体が最も小さい粒径を与えた.液体ピレンの流動性はナノ粒子コアでも保持されており,「ドーパント色素のナノ粒子内部への自発的取り込み」という新しい概念に基づいた発光色のチューニングに成功した.また可視光で励起可能な耐光性液体蛍光色素を新たに合成し,物性に及ぼすシリル基の導入位置の効果について検討した.さらにこれを内包した蛍光ナノ粒子を作製し,これがエンドサイトーシス機構によって細胞内部に取り込まれることを明らかにした.
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