研究課題/領域番号 |
16H04191
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
家 裕隆 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (80362622)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 有機導体 / 有機半導体材料 / 有機電界効果トランジスタ / 有機薄膜型太陽電池 / 電子輸送性材料 |
研究実績の概要 |
本研究の全体構想は、機能性材料を指向した新規π共役分子を開発することである。とりわけ応募者はエレクトロニクス材料への応用を目指している。この構想の一環として、本研究では電子輸送型(n型)の有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機薄膜型太陽電池(OPV)材料の開発を目的とする。研究の方向性として、デバイス駆動メカニズムをもとに、電子構造と分子構造を精密設計した新規n型π共役分子の系統的な開発を行なう。さらに、創出したπ共役分子の構造-基礎物性-薄膜物性-デバイス特性の相関を明らかとする。今年度はn型OFET, OPVの両方の分子開発を実施した。FETに関しての設計指針は、熱力学的・速度論的安定性を向上させるため、縮環構造や架橋構造の電子受容性ユニットを積極的に活かすことで、低いLUMOレベルと密な分子配列を満たす可溶性分子と定めた。これに向けてキノイド構造を鍵とする新規な電子受容性π共役分子の開発を系統的に行った。OPVに関しての設計指針は、ドナー-アクセプタ型p型材料と適合させるため、分子のLUMOレベル、混合薄膜での電子移動能、および、p型材料との混和性を精密に調節した直鎖構造・3次元構造と定めた。これに向けて新規な電子受容性部位を開発するとともに、新規π共役分子の設計と合成も行った。これら創出した分子の基礎物性評価として、電子吸収スペクトル測定、蛍光スペクトル測定、サイクリックボルタンメトリー測定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、機能性材料を指向した新規π共役分子を開発することである。とりわけ応募者はエレクトロニクス材料への応用を目指している。この構想の一環として、本研究ではn型のOFET、OPV材料の開発を目的とする。この目的に対して、今年度は計画していた標的分子の合成を達成できている状況であるため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度合成した分子に関して基礎物性評価と半導体特性評価を実施する。さらにこの知見をもとに、第二世代の分子開発へと展開する。
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