研究課題
カテコール含有環状シロキサンポリマーについて、グレーティング表面上でのナノコーティングの検討を行った。走査型電子顕微鏡や原子間力顕微鏡を用いて、平滑な表面と同様に均一ナノコーティングが行え、金属ナノ粒子の均一吸着がグレーティング表面上でも可能であることを明らかにした。さらに酸化チタンやシリカナノ粒子を積層することで、様々な基板表面の超親水化にカテコール含有環状シロキサンポリマーが寄与することを確認した。繰り返し単位に2つの未反応-Si-Hを有する直鎖状環状シロキサンポリマーにボロン酸エステル基を100%の置換率で導入することに成功した。ボロン酸が保護されている環状シロキサンポリマー(pCS-ABPE)を加水分解することで、脱保護された環状シロキサンポリマー(pCS-AB)を用いてトルエン溶液を作製し、ディップ法による薄膜形成能を検討した。親水性のSi基板をトルエン溶液に15分間浸漬したところ、表面粗さ1.4nm、膜厚6nmの平滑なpCS-AB膜が基板上に形成されていることを原子間力顕微鏡によりつきとめた。このことは、これまで得られているカテコール含有環状シロキサンポリマーでの均一ナノコーティングが10nmであることを考慮すると、環状シロキサンポリマーによる10nm以下でのナノコーティングが可能であることを意味する。続いてpCS-AB 膜の表面自由エネルギー測定を行った。pCS-AB膜上の水の接触角は100.9°であり、表面自由エネルギーは24.49 mNm-1であることを確認できた。pCS-ABをSi基板だけでなくPMMA、PI, PENなどのプラスチック基板上にもコーティングできることを明らかにした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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