研究課題/領域番号 |
16H04227
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
成田 史生 東北大学, 工学研究科, 教授 (10312604)
|
研究分担者 |
熊谷 進 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (30390389)
森 孝太郎 茨城大学, 工学部, 助教 (40712740)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | マルチスケール材料力学 / 数値シミュレーション / 材料試験 / 強誘電材料システム / 高分子系複合材料 / 電場・温度場・力学場相互干渉 / 温度環境発電 / スマート材料・構造 |
研究実績の概要 |
本研究は,様々なモノに貼ることのできる軟らかいチタン酸バリウムナノ粒子分散ポリマー複合材料を開発し,温度発電・蓄電・圧電応答挙動および破壊・疲労挙動を数値シミュレーション・実験両面から解明するものである.得られた成果を要約すると以下の通りである. 1. チタン酸バリウム系多結晶セラミックスの圧電力学応答に関するフェーズフィールドシミュレーションを行い,圧電定数および誘電率の平均結晶粒径・酸素欠陥密度依存性に及ぼす温度の影響を解明・考察した. 2. 極低温環境発電を可能とする強誘電セラミックスの破壊・疲労挙動解明を目指し,電場下における圧電セラミックスの三点曲げ静・動疲労試験および有限要素解析を室温および極低温(77 K)で行い,破断時間(疲労寿命)・破壊荷重およびエネルギー解放率の電場依存性に及ぼす温度の影響を解明した. 3. チタン酸バリウム板と銅板からなる積層材料を作製し,急速に温度を上昇(55 ℃)あるいは低下(77 K)させたときの出力電圧と出力電力を解明した.また,チタン酸バリウム/銅積層材料の温度変化発電に関する電気熱弾性解析およびフェーズフィールド・有限要素連成解析を行い,実験結果に理論的検討を加えた.さらに,圧電層とカーボンナノチューブ(CNT)分散ポリカーボネート層からなる圧電/CNT分散ポリカーボネート積層材料の温度変化発電についても同様に検討した. 4. チタン酸バリウムナノ粒子分散ポリマー複合材料を作製し,温度変化(高温)による出力電圧を明らかにして,ニオブ酸カリウムナトリウム粒子分散ポリマー複合材料の場合と比較・検討した.また,チタン酸バリウムナノ粒子分散ポリマー複合材料に振動を与え,圧電応答挙動についても考察を加えた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H29年度実施計画のチタン酸バリウムナノ粒子分散ポリマー複合材料の作製に成功し,温度上昇で発電するという結果を得ており,一部論文に受理されている.
|
今後の研究の推進方策 |
本年度は,チタン酸バリウムナノ粒子分散ポリマー複合材料の低温における発電挙動を明らかにする他,チタン酸バリウムナノ粒子分散繊維強化ポリマーを開発し,温度変化発電挙動について解明する予定である.
|