本研究ではレーザピーニングにより,セラミックスの強度と信頼性を向上させる新たな表面改質手法を提案することを目的とした.窒化ケイ素に種々の条件でレーザピーニングを施した後,残留応力,表面粗さ,曲げ強度を測定した.これらの結果から最適なレーザピーニングの条件を選定した.最適な条件でレーザピーニングを施工した場合には,表面から深さ60μm程度まで圧縮残留応力を導入することができた.圧縮残留応力の効果により窒化ケイ素の曲げ強度を向上させるとともに,曲げ強度のばらつきを低減することができた.したがって,レーザピーニングはセラミックスの強度と信頼性を向上するために有効な表面改質技術である.
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