研究課題/領域番号 |
16H04249
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 照剛 九州大学, 工学研究院, 准教授 (00334011)
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研究分担者 |
黒河 周平 九州大学, 工学研究院, 教授 (90243899)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ナノ粒子 / 蛍光プローブ / ブラウン運動 / 並進拡散係数 / 回転拡散係数 |
研究実績の概要 |
本研究では,液相中でナノ粒子粒度分布を測定し,その測定値をナノ粒子の幾何学的直径と関連づけて補償する技術を確立することを最終的な目標とし,その実現に向けた研究を遂行している. これまでに,蛍光プローブを標識したナノ粒子に対して,ナノ粒子のブラウン運動による拡散運動を解析し,単位時間あたりのナノ粒子の並進拡散運動の拡散面積の増加量を示す並進拡散係数と,単位時間あたりのナノ粒子の回転拡散運動における回転モーメントの単位時間,単位断面積あたりの増加量を示す回転拡散係数の値から,ナノ粒子が分散している溶媒中でナノ粒子に働く抵抗係数の大きさを評価し,この抵抗係数の評価結果を基にナノ粒子の平均粒径とその分布を評価する方法について,その妥当性を検証するための研究を遂行してきた. 具体的には,蛍光光子相関法(FCS)と呼ばれる方法を用いて,ナノ粒子に標識された蛍光色素の並進拡散運動を評価するための実験装置を試作し,試作した装置を用いて,蛍光色素分子および蛍光標識されたナノ粒子について,その並進ブラウン運動の並進拡散係数計測を試みた. 上記の実験のため,共焦点顕微鏡光学系を基にした,蛍光信号の単光子検出システムを構築し,構築した実験装置を用いて,ナノサイズの分子である蛍光色素の並進拡散係数の計測基礎実験を行い,研究遂行のため,ナノサイズの蛍光分子である蛍光プローブの並進拡散係数の変化に関する基礎的なデータの取得を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定では,ナノ粒子の粒度分布計測のためのまた,回転拡散係数の計測システムを構築し,その装置を用いて,基礎的な計測実験を遂行する予定であった.こちらについては,当初の計画と異なり,まだ装置の設計を行ったのみで,基礎実験などの実験については行えておらず,計画から遅れていると言える.ただし,その遅れの理由は,拡散係数計測システムの構築に必要な基幹部品の調達の都合上,当初の計画を変更し,ナノ粒子の並進拡散係数の測定システムの試作を前倒しに実施したためで有り,こちらについては,当初,2年目の研究で実施する予定であった計画通りに,装置の試作と基礎実験を行っている.そのため,研究計画の進展度は,両者の進展状況を総合的に判断して,おおむね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
ナノ粒子の粒度分布解析を行うには,ブラウン運動するナノ粒子の回転拡散係数と並進拡散係数を同時に取得する必要があり,今後の研究の遂行に備えて,既に構築済みの並進拡散係数計測システムに加えて,回転拡散係数の計測システムの設計と試作を行っている. これら試作した2つの拡散係数計測システムで,蛍光色素分子.蛍光標識されたナノ粒子の拡散係数を測定し,その基礎データを取得した後,最終的には両システムを統合し,蛍光プローブを用いたナノ粒子粒度分布計測システムを完成させ,提案手法の妥当性,有効性についての検証を行う予定である.
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