研究実績の概要 |
付加価値を高めるために,表面にナノ・マイクロメータレベルのテキスチャリングのニーズが急増している.テキスチャリングにより,(a)光学レンズにおいては光の回折効果の付加・色消し効果の付加,(b)歯科用Tiインプラントでは生体細胞融合性の向上,(c)表示デバイスでは反射防止機能の付加,(d)撥水性の向上,(e)ソーラパネルでは吸収率の向上など様々な効果が得られる.多くは量産成形するため,高硬度成形型のテキスチャリングがキー技術となっている.本研究では,断続切削可能な「マイクロフライス工具」に着目し,レーザ加工を応用してナノ多結晶ダイヤモンド等のマイクロフライス工具の創成技術を開発し,硬質脆性材料のセラミックスに対して,微細で構造的な超精密形状の創成を目指し,そのメカニズムを明らかにするため,今年度は以下について研究を実施した. 1.ナノ多結晶cBN製マイクロフライス工具によるTi合金のテキスチャリングの加工特性の評価を行った.最も優れた形状のナノ多結晶cBN製工具を用いて,Ti合金のテキスチャリング形状を超精密切削し,表面粗さ,形状精度,摩耗量の変化を評価し,従来の旋削加工の結果と比較調査した.昨年度出来なかった生体融合性の評価を実施し,様々なピッチのパターンのTi合金試験サンプルを中部大学で作製し,プラントセンターを通じて生体細胞の融和性を評価した. 2.ナノ多結晶ダイヤモンド製マイクロフライス工具による表示パネル反射防止テキスチャの型加工と加工性の評価した.NPCD製工具を用いて,超硬やSiC製の微細テキスチャリング金型を超精密切削し,表面粗さ,形状精度,摩耗量の変化を評価した.そして,従来の無電解Ni切削面の加工精度を比較した.光学特性の評価:中部大で試作した金型を基に成形し,菱光社にて反射特性を光学的に評価した.
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