研究課題
まず、前年度までに開発した三次元遠心型圧縮機動翼列を通る超臨界二酸化炭素熱流動の数値解法を、具体的な計算対象として、サンディア国立研究所が開発した実験用遠心圧縮機の動翼列流動に応用した。この圧縮機には、動翼とともにスプリッター翼が交互に付いているが、それらを忠実に計算格子により再現して数値解析した。圧力差ならびに入口温度を変化させた3種類の条件において計算された結果を比較したところ、臨界点近傍に近い条件における計算結果では、動翼ならびにスプリッター翼前縁近傍で流れが局所的に加速する領域があることがわかった。その部分では圧力ならびに温度が急激に減少するため、超臨界二酸化炭素が凝縮する可能性がある。本研究の成果は、2019年11月に開催された、Int. Gas Turbine Congress 2019で報告した。ただし、今回設定した条件ではその凝縮を確認することはできなかった。さらに臨界点近傍の入口条件による計算が必要であることを示しているが、あいにく計算がかなり不安定になり収束解を得ることができなかった。次に、前年度開発した超臨界炭化水素熱流動の数値解法を、新たに炭化水素の分解反応が考慮できる数値解法に拡張した。前年度おいては、分解による吸熱を簡易的に考慮していたのに対して、本数値解法ではそれぞれの分解反応による吸熱量をより正確に見積もることができるようになった。JAXAが実験した超臨界炭化水素熱流動に、本数値解法を応用したところ、実験により得られている温度変化に、より近い結果が得られることがわかった。本研究の成果は、2019年7月に開催された、ASME-JSME-KSME 2019 8th Joint Fluid Engineering Conferenceで報告した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proc. ASME-JSME-KSME 2019 8th Joint Fluids Engineering Conference
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