本研究は,ナノ秒パルス放電による高活性化学種生成とイオン液体静電噴霧法を融合した,革新的大気浄化法を確立することを目的としたものである。まず,数値シミュレーションにより,電圧印加によるテイラーコーンの生成および液糸分裂による微細液滴生成過程を明らかにした。イオン液体静電噴霧発生装置を構築し,高速度カメラによる可視化解析及び光散乱法による液滴径分布計測により,作動条件に対する静電噴霧の流体力学的特性を明らかにした。また,二酸化炭素吸収分離実験により,低濃度条件下においてもイオン液体静電噴霧を行うことで,CO2分離回収性能が顕著に向上し,既存の技術よりも高い分離性能が得られることを実証した。
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