熱電変換の性能を向上させるためには、電気伝導特性を損なうことなく熱伝導特性を低下させることが重要である。二次元原子材料であるグラフェンの熱は、電子ではなくフォノンと呼ばれる準粒子が運ぶため、本研究ではグラフェンを用い、同位体や欠陥、歪みなどを導入することで、電気特性を変化することなく熱伝導特性のみを低下させることを試みた。同位体のヘテロ周期構造では、フォノンの伝導に違いが現れる周期長以下で特徴的な伝導が見られた。欠陥や歪みの導入においても、およそ80%の熱伝導率低下が見られた。これらの構造の導入が熱電変換デバイスの性能向上に有用な手法であることを示した。
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