研究課題/領域番号 |
16H04285
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
元祐 昌廣 東京理科大学, 工学部機械工学科, 准教授 (80434033)
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研究分担者 |
山本 憲 東京理科大学, 工学部機械工学科, 助教 (70749100)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 物性分布 / ナノ粒子 / プラズモニクス / 光熱効果 |
研究実績の概要 |
初年度は,ナノ粒子固定化基板,ならびに熱流動計測技術の開発を行った.また,ナノ粒子固定化基板に光照射を行い,光吸収を確認した. (1) ナノ粒子の固定化に関して,クエン酸還元法を用いて製作した金ナノ粒子を,シランカップリング剤で自己組織化処理をガラス基板上に施して固定化させた.固定化されたナノ粒子は走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって確認した.また,基板に金ナノ粒子を任意位置にパターニングする手法についても検討し,ある程度自由に金ナノ粒子を集積させることができることを確認した. (2) 増幅光を用いた光熱効果,ならびに誘起流の計測手法の開発を行った.温度に関しては,従来のレーザ誘起蛍光法(LIF)ではなく,蛍光発行の偏光特性の変化から温度分布を求める手法を開発した.液体中の蛍光分子に偏光した励起光を照射し,分子からの蛍光の垂直・水平成分を別々に取得して解析することで温度に依存した溶液中分子の回転Brown運動を抽出し,この異方性の温度依存性から溶液温度を求める手法の原理を検証し,温度計測が可能であることを示した.また,蛍光分子サイズ,染料濃度依存性や,消光への耐性などを評価した.流動に関しては,異方結像を用いた3次元流速測定法について,光学素子のパラメータと計測厚さの関係を明らかにし,空間分解能をサブミクロンまで高めることができることを明らかにした. (3) ナノ粒子固定化基板に640nmの光を照射し,金ナノ粒子由来の特異的な光吸収が起きていることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナノ粒子を固定化,ならびに計測手法の開発に関して,初年度としては順調な進展が得られたため.
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今後の研究の推進方策 |
ナノ粒子パターニングの精度評価を,光増幅度を評価指標として行うことで光熱効果を的確に評価する.また,プラズモンの数値計算コードを開発することで実験的な試行数を減らし,効率的な研究推進を行いたい.
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