研究課題
本研究では,iPS細胞を用いた再生移植治療に貢献するため,生きている培養細胞に対し3次元の動的力学刺激を自在に付加し得る高機能超小型振動デバイスを開発し,ゲル包埋培養法と融合させることで,ニューロンネットワーク構造体のアクティブ立体誘導制御・構築を可能とする革新的デバイスシステムの創製をめざし以下のように研究を実施した。立体ねじれV型カンチレバーおよび立体π/2ねじれバイモルフカンチレバーを用いた3次元振動ステージシステムを開発し,これまでより大変位化,広帯域化の可能性を見出した。また,コラーゲン・ゲルを用いた「ゆるやかな足場」による神経細胞3次元包埋培養法の確立に近づいた。ただし,蛍光観察の鮮明性には依然として難点が存在するため,ゲル濃度の調整・最適化による改善が必要である。この包埋培養ディッシュを開発した上述の超小型3次元振動ステージ上に設置し,3次元動的マイクロ力学刺激を組織的に作用させることにより,ニューロンネットワークの3次元化を段階的に誘導する手法開発を行った。誘導される3次元中枢神経回路網を用いて,脊髄損傷再生移植治療を模擬する移植モデルを新たに構築すべく試行錯誤中である。今後,開発した3次元振動ステージを用い,移植施術後のニューロンの生着性,連結融合性を促進する最適な3次元動的力学刺激環境の同定をめざす予定である。また現在,ハイブリッド電気・力学神経生理機能計測評価用3次元マイクロアクチュエータプローブをMEMS技術を応用し独自に開発しており,移植神経突起へのマイクロ力学,電気刺激の発現付加,応答計測を可能とするシステムの構築・確立に近づいている。 以上,今年度までの研究により,神経回路機能の結合性,反応特性,電気活動性に基づく移植適合性事前計測評価法の構築および神経細胞再生移植治療支援法の基盤技術を創出することができた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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http://kosawada-lab.yz.yamagata-u.ac.jp/