研究課題
液晶ディスプレイに使用される位相差フィルムなど,固液界面で使用される,複屈折性を有する光学用の透明な高分子材料(透明体材料)の損傷検出は,カメラなどにより製造工程において検出する手法が実用化されている.しかし,これらの手法では,実際の使用環境における透明体材料の機械的性質の同定や損傷検出を非接触非破壊で実現できない.本研究では,レーザー誘起プラズマによる衝撃波を用いたレーザーパルス加振により,透明体材料に非接触非破壊で弾性波(応力波)を生成する.そして,この弾性波の伝播を偏光高速度カメラによる複屈折計測に基づき可視化する.弾性波の伝播速度やその分布などを観察することにより,実際の使用環境における透明体材料の機械的性質の同定や損傷検出を非接触非破壊で実現する.平成30年度は,(1)透明高分子材料の十数マイクロメートル程度のひっかき傷の検出,(2)モーメントレーザーパルス加振,(3)水中構造物の制振,その他の応用関連研究として(4)金属材料へのLamb波の生成,(5)ウェーブレット解析による損傷検知手法について検討した.国際的な研究論文雑誌に,(1)は投稿準備中であり,(2)~(5)は掲載決定となった.(1)では,まずはじめにレーザーパルス加振により透明高分子材料で構成された薄板に,弾性波の一種であるLamb波の0次のSモードを生成する.そして,偏光高速度カメラで可視化されたLamb波の伝播を観察することで,十数マイクロメートル程度のひっかき傷の検出に成功した.(2)では,レーザーパルス加振を用いることでモーメントを入力とした周波数応答関数計測に成功した.(3)では,水中構造物に高分子材料を減衰材として貼付し,これの制振性能評価に成功した.この他,透明体材料の動的粘弾性率の同定を検討していき,国際的な研究論文雑誌に投稿する予定である.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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