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2016 年度 実績報告書

進行波と粘液の相互作用により凹凸壁面や天井でも推進する吸着式移動体の創出

研究課題

研究課題/領域番号 16H04296
研究機関東京工業大学

研究代表者

塚越 秀行  東京工業大学, 工学院, 准教授 (50313333)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードソフトメカニクス / アクチュエータ
研究実績の概要

本研究では、カタツムリの吸着移動に作用する進行波と粘液の原理を厳密に解明し、凹凸コンクリート壁にも吸着可能な移動体の基盤技術の構築を目指すこととした。平成28年度では、カタツムリの調査結果から得られた生物学的知見に基づくバイオミメティックアプローチを以下に示す3つの観点から行った。すなわち、1)カタツムリの吸着移動原理や粘液作用の解明、2)人工粘液の設計法と精製法の確立、および3)進行波生成用アクチュエータの設計法の確立である。まず、吸着移動原理と粘液作用の解明について、カタツムリは腹足に生じるWave(収縮波)を尾部から頭部に進行させる間にせん断応力を減衰させ、Interwave(波間)では吸着力を生成させること、またRim(外周部)は粘液を保持しつつ吸着力も生成させながら連続的に移動する役割を担うことなどが明らかとなった。また、吸着力を補助する人工粘液として、分子ネットワークの構築が可能なナノシリカとシリコンオイルの混成流体を導入した。その精製過程において、降伏せん断応力と速度による減衰性・弾性係数を決定づける重要なパラメータが存在することが明らかとなった。さらに、進行波生成用アクチュエータの設計において、進行波の波形パラメータ(振幅・波長・縦波・横波)と吸着特性との関係を剛体版で構成された試作機を用いて調査し、上述の人工粘液を用いた壁面・天井を移動するための設計方法を確立した。これらの知見をもとに、凹凸コンクリート壁面での吸着移動の実現と操作性向上の検討を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

カタツムリの吸着移動に作用する進行波と粘液の原理の解明においては、おおむね目標通りの成果を得られた。その一方、上記原理を工学的応用する方法については、適切な特性を有する人工粘液がみつかっていないため、当初の計画より遅延している。今後研究を進めるなかで、さらに望ましい特性を有する粘液を検討し直す予定である。

今後の研究の推進方策

望ましい吸着特性を有する人工粘液を再度検討し直すとともに、粘液の吸着特性を発揮しやすい柔軟式進行波生成アクチュエータを開発する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] カタツムリの運動を参考としたシート形進行波生成アクチュエータ2016

    • 著者名/発表者名
      渡辺 将広、塚越 秀行
    • 学会等名
      ROBOMECH2016 in Yokohama (ロボティクス・メカトロニクス講演会)
  • [産業財産権] 特許権2016

    • 発明者名
      塚越秀行、渡辺将広
    • 権利者名
      塚越秀行、渡辺将広
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2016-03271

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公開日: 2021-01-27  

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