研究課題/領域番号 |
16H04297
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
齋藤 滋規 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (30313349)
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研究分担者 |
高橋 邦夫 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (70226827)
鞠谷 雄士 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (70153046)
山本 貴富喜 東京工業大学, 工学院, 准教授 (20322688)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 静電チャック / 生体模倣 / 微細毛構造 / 表面柔軟性 / リソグラフィー / 3Dプリンター / 双極型 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,ヤモリ指先の微細構造にヒントを得て,静電力により対象物を自在に凝着(把持)・離脱可能にする「ヤモリ型静電チャック」を創成し,従来,取り扱い困難だった対象物をハンドリング(物体操作)可能にする技術(デバイスおよび制御手法)を実現することにある.具体的には,静電力発生のための電極を先端に備えた微細毛の集合体を高度に集積し,ヤモリ指先のセタ(seta)微細毛にヒントを得た構造により,対象の表面形状に沿って柔軟に密着し,静電力をより有効に働かせるデバイスを実現すること,さらに,それを用いた「強い凝着」と「容易な離脱」を両立可能にする技術体系を確立することである.29年度は,「双極型『ヤモリ型静電チャック』モジュール積層化によるデバイスの大面積化」のための「電極配列密度に関する実験的検討」および「対象物離脱の手先軌道の実験的検討」を行った.前者は,モジュール積層による大面積化を行った場合に梁剛性と電極密度がどのように設計可能であるかを実験的に検証する試みであり,後者は,電極と対象物の接触面に残留電荷が存在する場合においても対象物を離脱可能な手先軌道のための指針を得るための実験的検討である.今後は,対象の材質,形状などの範囲を広げ,大面積の有機ELシートや布地など,従来のハンドリングが困難であった対象物を自在に操ることが可能な,従来に無い自動化ハンドリング技術を確立するための知見を得ることが期待される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
電極密度と梁剛性の設計範囲を実験的に検討し,電極と対象物の接触面に残留電荷が存在する場合においても対象物を離脱可能な手先軌道のための指針を得るための実験的検討を実施し,今後,モジュールを積層し,大面積化を行うことにより,シート状の誘電体材料を自在にハンドリングできるようにするための指針を得た.今後,把持・離脱の際の条件について更に力学的な検討を重ねて,物理的な洞察を深める必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
微細毛構造によって表面柔軟性を持つ静電吸着デバイスの開発において,今後の研究推進の方向性は幾つかある.一つは,デバイスの大面積化のための技術開発である.これまでに得られた知見を生かして,単層モジュールを積層して大面積化を実現するために有効な 製造技術を確立することである.また,もう一つは,特定の用途(たとえば,「特殊な半導体製造技術のためのウエハハンドリング」や「自動縫製技術のための布地ハンドリング」)における具体的な課題に対して,物理的に重要なポイントを抽出し,課題解決を図っていく.
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