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2017 年度 実績報告書

破壊予測・防止法に基づく次世代脳神経外科手術サポートシステム

研究課題

研究課題/領域番号 16H04298
研究機関金沢大学

研究代表者

渡辺 哲陽  金沢大学, 機械工学系, 准教授 (80363125)

研究分担者 中田 光俊  金沢大学, 医学系, 教授 (20334774)
米山 猛  金沢大学, 機械工学系, 教授 (30175020)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード知能機械 / ソフトメカニクス / 医用システム
研究実績の概要

開発した破壊に関する事前知識なしで破壊を予測・防止する方法論を,脳神経外科手術へと応用・発展させ,次世代の医療サポートシステムを実現することを目的に,平成29年度では,以下の事案を実施した.
1.圧排力を検出可能な脳神経外科手術用レトラクタの高度化を行った.脳神経外科手術では術野が狭いこともあり,吸引器をレトラクタ代わりにすることも多い.これを踏まえ,前年度開発した,圧排力をセンシングできるだけでなく,吸引機能,レトラクティング機能を有する新しい機器を高度化させた.具体的には,水位検出機構を採用したうえで,センシング部の機構解析を行うことで,センシング部の薄型を実現した.また,圧排力を自動で制御できるシステムを開発した.破壊予測検知と組み合わせることで,自動で破壊しないように圧排力をコントロールすることが可能となった.
2.破壊予測法の分析:前年度では,圧力挙動から早期に破壊の危険性を予知できる手法を開発したが,その機序が不明であった.このため,破壊の様子を分析し,その機序の一部を明らかにした.
3.前年度において,指先腹に保持力をフィードバックしている際,指先の側面に引張力を提示することが可能かどうかを検証し,腹より側面の方に提示する方が感度が高くなることを明らかにした.これに基づき,術者の指先へ力フィードバックできるシステムの開発を行った.
4.圧排接触部における摩擦挙動が濡れた状態と乾いた状態でどう変わるかの分析を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

破壊予測における機序が一部とは言え,明らかになったこと,また,様々な関連知見を得ることができため.

今後の研究の推進方策

平成30年度は,模擬手術環境と,術野のリトラクティング(組織を押す・引っ張る)兼センシングを行うリトラクティングシステムを改良・高度化し,自動で,破壊を防ぎながら適切な圧排力を提供できるシステムに昇華させる.また,実組織に近い組織をリトラクティングする際の破壊し易さを判定する方法の開発に挑む.特に,血管に着目し,圧排によって出血が起こらないようなシステム実現を目指す.実組織におけるシステムの妥当性についても検討する.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A Force-Visualized Silicone Retractor Attachable to Surgical Suction Pipes2017

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Tetsuyou、Koyama Toshio、Yoneyama Takeshi、Nakada Mitsutoshi
    • 雑誌名

      Sensors

      巻: 17 ページ: 773~773

    • DOI

      10.3390/s17040773

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Surface Texture of Deformable Robotic Fingertips for a Stable Grasp Under Both Dry and Wet Conditions2017

    • 著者名/発表者名
      Mizushima Kaori、Nishimura Toshihiro、Suzuki Yosuke、Tsuji Tokuo、Watanabe Tetsuyou
    • 雑誌名

      IEEE Robotics and Automation Letters

      巻: 2 ページ: 2048~2055

    • DOI

      10.1109/LRA.2017.2717082

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Microgripper-Embedded Fluid Fingertip-Enhancing Positioning and Holding Abilities for Versatile Grasping2017

    • 著者名/発表者名
      Nishimura Toshihiro、Fujihira Yoshinori、Watanabe Tetsuyou
    • 雑誌名

      Journal of Mechanisms and Robotics

      巻: 9 ページ: 061017~061017

    • DOI

      10.1115/1.4038217

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Finger-attachment device for the feedback of gripping and pulling force in a manipulating system for brain tumor resection2017

    • 著者名/発表者名
      Chinbe Hiroyuki、Yoneyama Takeshi、Watanabe Tetsuyou、Miyashita Katsuyoshi、Nakada Mitsutoshi
    • 雑誌名

      International Journal of Computer Assisted Radiology and Surgery

      巻: 13 ページ: 3~12

    • DOI

      10.1007/s11548-017-1640-3

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 流体指を用いた柔軟物体非破壊把持手法の提案2017

    • 著者名/発表者名
      西村 斉寛、鈴木 陽介、辻 徳生、渡辺 哲陽
    • 学会等名
      計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会
  • [備考] 人間機械創造研究室・渡辺班

    • URL

      http://zkks.w3.kanazawa-u.ac.jp/watanabe/

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公開日: 2018-12-17  

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