研究実績の概要 |
熱硬化性樹脂と金属からなる複合材料の相分離を用いて三次元積層型集積回路(3D LSI)の基幹配線となる微細なTSV(シリコン貫通配線)、およびマイクロバンプ電極を形成する過程を解析し、メカニズムを分析するための基礎検討を引き続き行った。誘導自己組織化を誘起できるSi深穴のサイズを特定し、Si深穴の側壁材料がナノ相分離構造に与える影響を評価した。側壁材料にはSi、シリコン酸化膜、Niの3種を用意した。また、樹脂の組成と分子量、および構造、特に金属に配位しやすい構造を導入して、ナノコンポジットを調製し、ナノ構造の形成過程を追跡して相分離に必要な温度と時間を求めた。さらに、TSV形成後の電気的特性を評価するためのマスク設計とマスク作製を行った。これによってDSAによって形成された連続金属構造が配線として機能しうるかどうかを電気的に評価できる。一方、狭ピッチ電極に関しては、ピッチ10um、電極直径5um、電極総数1,000,000個のデイジーチェーンが測定できるレイアウトを作成し、フォトマスクを作製した。Ni, Co, Fe, Cu, Au, In, Snなどの金属を中心に樹脂との分散性を評価し、使用可能な金属の特定と相分離構造をSEMで観察し、目的の構造を得るために必要なチップ接合条件を決定した。トップチップサイズは3mm角、ボトムチップは5mm角とし、チップ側にナノコンポジットを供給して熱圧着し、電気的な導通を確認した。アライメント精度の問題も並行して検討した。
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