研究課題
これまでに,一般的な原子層堆積手法では2次元チャネルの特性劣化が大きいという問題に対して,酸素分離型蒸着装置を用いた2次元層状チャネル上High-k堆積において極薄膜下での誘電率の維持に成功し,安定デバイス動作を達成してきた.今年度は,この堆積手法により作製したデュアルゲート2層MoS2を用いて巨大シュタルク効果の観測を検討した.巨大シュタルク効果とは垂直電界が印加された場合に,バンドアライメントが変化し,ギャップが減少する挙動である.このバンドアライメントの変化のため,ゲートに近い層は絶縁体として働き,移動度の向上が期待できる.ソースドレインをトップゲートにより被覆しアクセス領域を無くした2層MoS2デュアルゲートトランジスタ (完全被覆構造)を酸素分離型蒸着装置により作製し,巨大シュタルク効果を実証するため,移動度の変化を解析した.1層及び2層 MoS2の電流-電圧特性の結果から,2層は1層に比べバックゲート印可に対する電流増加率が大きいことがわかった.移動度のバックゲート電圧依存性から,2Lにおける傾きが大きいことがわかった.トップゲートフルカバー構造における移動度のバックゲート電圧依存性は,(i)ソースドレイン下におけるチャネルの変調と(ii)巨大シュタルク効果の2つの要因に分けることができる.1層ではソースドレイン下におけるチャネルの変調のみが観測されるため,移動度のバックゲート依存性における傾きの差は2Lにおける巨大シュタルク効果の影響によると考えられる.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 1件、 査読あり 11件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 14件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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