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2017 年度 実績報告書

10Gfps超高速シリコン撮像素子の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16H04358
研究機関立命館大学

研究代表者

下ノ村 和弘  立命館大学, 理工学部, 准教授 (80397679)

研究分担者 安藤 妙子  立命館大学, 理工学部, 准教授 (70335074)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード超高速撮影 / 撮像素子
研究実績の概要

超高速撮像のための“裏面照射型マルチ電荷収集ゲート構造(BSI-MCG)”を提案し,これに基づいた撮像素子開発を進めた.本年度の主な実績は以下のとおりである.
1. 1枚の撮像素子で1億枚/秒(100Mfps)の超高速撮影が可能な撮像素子を開発した.画素数は512×576×2画素(約60万画素)で,各画素は5つの電荷収集ゲートをもつ.したがって,連続撮影枚数は5枚である.画素数を半分(約30万画素)にすることで連続10枚の撮影が可能である.テストカメラを製作し,撮影実験を行った.実験では,短パルスレーザ(半値幅およそ77ps,立ち上がりから消光までおよそ400ps)を用いて撮影速度の検証を行った.カメラによる撮影開始とレーザ照射を同時に行った場合,レーザ光の像は1枚目の撮影画像に映っていた.レーザ照射を,撮影開始から10nsずつ遅らせるごとに,レーザ光の像が映る画像は2枚目,3枚目,4枚目,5枚目となった.このような実験により,1億枚/秒の撮影速度が確認できた.また同時に,昨年度までのシミュレーション解析で予測されたようなクロストークが現れることも確認された.
2. 撮影速度を向上させるためのセンサ構造の検討を行った.昨年度までのシミュレーション解析により,信号電荷の水平方向への移動を抑制することが時間分解能の向上につながることが明らかになっている.このための構造として,Deep Trench Insulator(DTI)を用いることを考えた.厚さ10μmのNSI-MCGセンサに対して,裏面から深さ7μm,直径4μmでDTIを作り込んだ構造において,モンテカルロ法を用いたシミュレーションにより時間分解能を見積もった.その結果,信号電荷の収集電極への到達時間の標準偏差は25.2psとなり,その2倍を時間分解能とすると50.4psとなった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

BSI-MCG構造をもつセンサにより1億枚/秒の撮影実験を行い,提案構造の動作が確認できた.さらに,撮影速度を向上させるためのセンサ構造についても検討が進んでいる.

今後の研究の推進方策

1. 撮影速度向上のためのセンサ構造の検討と設計:センサ構造の検討をさらに進めた上で,本研究における目標時間分解能を達成するための具体的なセンサ設計を行う.
2. 画質向上のためのセンサ設計修正:撮影実験の結果により明らかになった課題を整理し,これを改善することで撮影画像の画質改善をはかる.
3. 高速ドライバ回路および3D積層化設計:ドライバ回路とセンサチップとの3D積層化設計と実装を引き続き進める.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (10件) (うち国際学会 4件)

  • [学会発表] 100 Mfps image sensor for biological applications2018

    • 著者名/発表者名
      Takeharu Goji Etoh, Kazuhiro Shimonomura, Quang A. Nguyen, Kosei Takehara, Yoshinari Kamakura, Paul Goetschalckx, Luc Haspeslagh, Piet De Moor, Vu Truong Son Dao, Dzung H. Nguyen, Naoki Hayashi, Yo Mitsui, Hideo Inumaru
    • 学会等名
      SPIE Photonics West 2018
    • 国際学会
  • [学会発表] 究極の時間分解能のイメージセンサを目指して―10 nsから50 psへ―2018

    • 著者名/発表者名
      江藤剛治,下ノ村和弘,竹原幸生,犬丸秀夫,林直樹,三井鷹,井口昭彦,三原勉
    • 学会等名
      映像情報メディア学会情報センシング研究会
  • [学会発表] The Temporal Resolution Limit of the Silicon Image Sensors2017

    • 著者名/発表者名
      Takeharu Goji Etoh, Anh Quang Nguyen, Yoshinari Kamakura, Kazuhiro Shimonomura, Yen Le Thi and Nobuya Mori
    • 学会等名
      2017 International Image Sensor Workshop (IISW)
    • 国際学会
  • [学会発表] 限界時間分解能の理論に基づく50 psのシリコンイメージセンサの設計2017

    • 著者名/発表者名
      江藤剛治,Anh Quang Nguyen,鎌倉良成,下ノ村和弘
    • 学会等名
      映像情報メディア学会情報センシング研究会
  • [学会発表] 5千万枚/秒の超高感度ビデオカメラ用イメージセンサーの原理実証2017

    • 著者名/発表者名
      三井鷹,下ノ村和弘,竹原幸生,江藤剛治
    • 学会等名
      高速度イメージングとフォトニクスに関する総合シンポジウム2017(JCHSIP2017)
  • [学会発表] 1枚の撮像素子で1億枚/秒の超高速撮影ができるマルチフレーミング撮像素子2017

    • 著者名/発表者名
      林直樹,下ノ村和弘,竹原幸生,江藤剛治
    • 学会等名
      高速度イメージングとフォトニクスに関する総合シンポジウム2017(JCHSIP2017)
  • [学会発表] 多孔永久磁石による収束電子ビームアレイの実現可能性2017

    • 著者名/発表者名
      平岡一毅, 津野勝重, 白神宏之,下ノ村和弘, 江藤剛治
    • 学会等名
      高速度イメージングとフォトニクスに関する総合シンポジウム2017(JCHSIP2017)
  • [学会発表] シリコンイメージセンサの理論的限界速度を目指して2017

    • 著者名/発表者名
      江藤剛治,Anh Quang Nguyen,鎌倉良成,下ノ村和弘
    • 学会等名
      高速度イメージングとフォトニクスに関する総合シンポジウム2017(JCHSIP2017)
  • [学会発表] Simulation-based Feasibility Assessment of an Electron-Beam Array made with Multi-hole Permanent Magnets2017

    • 著者名/発表者名
      Takeharu Goji Etoh, Kazuhiro Shimonomura, Katsushige Tsuno, Kazuki Hiraoka
    • 学会等名
      11th International Symposium on Atomic Level Characterizations for New Materials and Devices'17(ALC17)
    • 国際学会
  • [学会発表] Ultra-high-speed CCD image sensors for Imaging TOFMS2017

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Shimonomura, Anh Quang Nguyen, Kohsei Takehara, Luc Haspeslagh, Paul Goetschalckx, Piet De Moor, Naoki Hayashi, You Mitsui, Tomohiro Takahashi, Akihiko Iguchi, Tsutomu Mihara, Takeharu Goji Etoh
    • 学会等名
      11th International Symposium on Atomic Level Characterizations for New Materials and Devices'17(ALC17)
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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