前プロジェクト「量子フェージング通信路とその伝送限界及び符号化・復号化,変調方式に関する研究」の成果を基礎とし,現実の無線量子通信への応用を見据えた研究を行った.具体的には,マルチモードへの拡張を行い,さらに,複数雑音が混在した場合も扱った.前者は特に,量子特有の情報リソースである“エンタングルメント”を考慮するために不可欠であり,実際にエンタングルメントを応用した量子プロトコルに適用し,性能解析を行った.これらに加え,これまでに開発してきた研究ツールを進歩させた.特に,対称信号向けだった通信路行列公式の研究を非対称信号に拡張するための2つのアプローチ:対称化と部分対称性の利用を進めた.
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