今後の研究の推進方策 |
平成29年度までに得られた磁界センサ素子の小型化と高感度化を図る。一部, 動作原理解明, 動的磁区観察技術については検討を継続する。特に, MHz帯域での磁壁共鳴の実験的確認には至っていないため, その実現のために観察・評価手法の検討も含め研究を遂行する。一方, 実験的に駆動条件や素子構成, 素子形状の最適化をより進め, 得られた最適化条件に基づき, MHz帯域で動作するセンサ(駆動・検出回路込)を30年度前半に作製し, 電磁非破壊評価システムに組込み, 動作検証を行う。電磁非破壊評価においては高い空間分解能を有しながら, 検査範囲は広範囲を要求されるので, 磁界センサのアレイ化が必要である。同時進行としてセンサ素子のアレイ化を図り, 高空間分解能化に対応するためグラジオメータ動作の検証も行う。30年度の後期の始めの段階でそれぞれのプロトタイプ素子を作製して電磁非破壊評価応用システムに組み込む。電磁非破壊評価応用システムとしては, 別プロジェクトにて開発を推進している走査型システムの一部に本研究で作製した素子を組み込む形で利用し効率よく研究を推進する。鋼材等内部の微小欠陥の検知を適用事例として試みる。本研究で利用している原理の磁界センサを使用した場合、鋼材表面の100マイクロメータ弱のきずの検知は可能となっているが, 鋼材内部でかつ数10マイクロメータ以下の欠陥評価の要望が強いためである。また, 関連して29年度及び30年度前半の研究成果を学術会議で発表を行い, 論文投稿も実施する。最後に, 本研究の総括を行い, 低周波駆動可能な磁界センサの開発とその高機能化としてアレイ化の実現, 電磁非破壊評価応用の高度化として鋼材の微小欠陥の検知への適用性について評価をまとめる。
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