サブナノオーダ欠陥評価のための物性分析光相関顕微鏡の開発を行った.具体的には,光源開発と微弱光検出光学系の開発とを行った.また,ディープラーニングを適用することにより従来よりも800倍高速な計測も実現した.具体的には,フォトンカウンティングレベルまで離散化させた光を検出するに当たり,照明を開始した時間から最初に検出器に到達する時間を用いることで,約100フォトン程度でのイメージングが可能になった.そのため,サブナノオーダーの微小欠陥を撮影することが可能になった.一方で,光相関顕微鏡の課題として測定時間が膨大になるという課題があった.そこで,ディープラーニングの手法を適用することで高速化を実現した.ここでは,計算機上で再現した測定を教師データとすることで,実際の実験データを教師データとするよりも効率的な訓練を行った.また,検出画像に光が存在することを算出しそれらをマッピングすることでサンプルの画像を得た.実際の実験結果として,訓練回数は200回行った.サンプルには,一般的な顕微鏡では光が透過してしまうため判別が困難なマイクロビーズを用いた.従来の光強度相関を用いた手法では,ガラスビーズをイメージングするためには4000回程度の繰り返し計測が必要であった.しかし,ディープラーニングを組み合わせることにより,5回の繰り返し計測でイメージングが可能となった.800倍の高速化が実現したことにより,動画の撮影が可能となり,マイクロビーズを手動ステージにより移動させることでリアルタイムの映像を撮影することが可能になった.
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