研究課題/領域番号 |
16H04379
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
西川 正 東京電機大学, 工学部, 教授 (20374069)
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研究分担者 |
石澤 淳 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主任研究員 (30393797)
日達 研一 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 研究主任 (60564276)
鈴木 将之 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (60622371)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | デュアルコム分光 / 光周波数コム / 電気光学変調器 / 呼気分析 |
研究実績の概要 |
我々が提案した電気光学変調器ベースのデュアルコム分光システムを東京電機大学に於いて新規に立ち上げた。狭線幅半導体レーザーからの光を2分岐し、片方は25GHzで駆動する1台の強度変調器と2台の位相変調器を通してコム1を生成し、もう片方はAOMで光周波数を80 MHzシフトさせた後、25GHz+0.35MHzで駆動する各変調器を通してコム2を生成し、両者をファイバーカプラーで合波してフォトディテクターで受光して得た電気信号をサンプリングし、FFT計算を行った。得られたデュアルコムスペクトルは、光スペアナで計測したコムの光スペクトルの全体形状を良く反映しており、さらに分光器の波長分解能に制限されない狭い線幅スペクトルを計測する事が出来、デュアルコム分光法の優位性を示せた。 現在の25GHzというコムのモード間隔は、分光対象によっては分解能を上げる為に狭くする必要がある、そこで、25GHz繰り返し光パルスに対して、時間軸方向に一定の多値位相変調を掛ける事でタルボ効果を利用してコムのモード間隔を細分化する方法についてシミュレーション計算を行った。2値から9値の位相変調を掛ける事で、コム間隔を1/2から1/9に細分化出来る事が判ったが、奇数次の場合には生成されたコムの各モードの強度の乱れが大きくなる傾向があり、多値位相変調量の決定式に関する見直しが必要な事が判った。 電気光学変調器ベースの光周波数コム光源の各モード光周波数は、シードレーザー波長と変調器を駆動するマイクロ波基準信号発生器の周波数とで決まる、自己参照干渉法を用いる事が出来れば、レーザー波長もマイクロ波基準信号で定める事が可能となる。しかしながら、繰返し周波数が高くオクターブ光の発生が困難な為にデュアルピッチPPLN導波路を用いた2f-3f干渉計の研究を行っている。今回、本手法での位相雑音性能について明らかにする事が出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
我々が提案する電気光学変調器ベースのデュアルコム分光システムの新たな構築に成功しその性能確認を済ませる事が出来、今後のガス分光計測研究へ向けた準備を整える事が出来た。
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今後の研究の推進方策 |
最初は簡単な標準ガスセルサンプルの計測を通じて今回構築したシステムの最適化を図り、その後の研究分担者との共同での呼気分析への研究に繋げていく。
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