研究課題/領域番号 |
16H04400
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
貝沼 重信 九州大学, 工学研究院, 准教授 (00262874)
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研究分担者 |
三谷 泰浩 九州大学, 工学研究院, 教授 (20301343)
鄭 暎樹 九州大学, 工学研究院, 特任助教 (60750354)
押川 渡 琉球大学, 工学部, 教授 (80224228)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 腐食 / 塗膜 / 鋼構造物 / シュミレーター / 電気化学機構 |
研究実績の概要 |
①塗膜の傷と劣化部から進行する腐食挙動の分析 4地点(沖縄本島と福岡県の内陸・海岸部)で実施中の大気暴露試験に寒冷地(苫小牧)を新たに開設した.また,苫小牧では飛来海塩の影響があるため,新たに飛来海塩の影響が無い夕張の大気暴露試験を平成30年度上半期に開始するために候補地選定や機材の準備をした.大気暴露試験と促進試験による腐食試験体(ピンホールと線傷,近接する複合傷,残留塩による塗膜下膨れ),および実構造物で暴露する試験体データを用いて,塗膜傷や劣化の複合性が腐食挙動に及ぼす影響を学際的視点で分析した. ②腐食環境を考慮した塗膜傷劣化の複合性とその電気化学機構の解明 塗膜の複合傷と塗膜下腐食による塗膜劣化をモデル化した試験体を考案し,試験体の試験体上の課題点(すき間腐食)を解決した上で,長期間試験が実施できる試験体を製作した.塗膜傷が単体や複合体となった場合の複雑な電気化学機構をパラメトリックなラボ試験(腐食電流と電位の計測)を実施することで解明した. ③塗膜劣化,腐食表面,腐食性等の入力のための3次元可視化システムの構築 構造物の全部材表面の空間に展開して,30年度以降に高度化するシミュレータや構造物調査から得られる塗膜劣化と腐食表面の空間情報や各センサ等から得られる部位レベルの腐食性などの情報を入力することで,損傷の経時性や致命性を3次元可視化できるシステムを構築するための検討を行い,構築に際する課題点を抽出した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
塗膜劣化,腐食表面,腐食性等の入力のための3次元可視化システムの構築については,進捗が遅れている.しかし,研究課題の主要部分である塗膜傷や劣化の 複合性が腐食挙動に及ぼす影響に関する検討はほぼ完了している.また,腐食環境を考慮した塗膜傷劣化の複合性とその電気化学機構の解明に関する検討につい ても,当初の予定どおりに進んでおり,新しい視点で電気化学機構を提案できている.
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今後の研究の推進方策 |
乾湿繰返し腐食環境変動を考慮した塗膜傷劣化の複合性と電気科学機構の解明について,難度が高い3つ以上の塗膜複合傷を有する場合を対象として,塗膜仕様 (普通塗装、重防食塗装、新規開発された高耐久性塗装)の影響も解明しながら,当初の予定以上に幅広い検討を行う.
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