研究課題/領域番号 |
16H04418
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
日比野 忠史 広島大学, 工学研究院, 准教授 (50263736)
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研究分担者 |
金田一 智規 広島大学, 工学研究院, 助教 (10379901)
TOUCH NARONG 広島大学, 工学研究院, 特任助教 (50707247)
中下 慎也 広島大学, 工学研究院, 助教 (90613034)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 電極 / 電子回収 / 電位分布 / 還元泥 / ミネラル |
研究実績の概要 |
「電子回収範囲拡大のための基本技術開発」では広範な規模での電力回収能力を向上させるため個々の電極に形成される微生物反応に着目しつつ、微生物や電子伝達物質によって形成されたと考えられる電子電達経路を起電圧分布として可視化するための電柱技術が開発された。これによって対象となる堆積泥の電子回収能力を把握することを可能にした。①有機物の分解過程と電子、水素イオンの生産機構の把握、②時空間的に電位差を作用させる場での電子回収(浄化)範囲の拡大、③水素イオンの水層への拡散捉進、④、⑤散布型電極の開発 を行うことにより、以下に開発したSMFCの具体的な能力を示す。 福山内港(下水が放流され有機物が過剰に堆積、底泥ORP=-400mV)での実績として以下の成果を得た。①浄化能力 0.18m2×2枚(アノード電極、カソード電極)を用いた場合のアノード電極面積当りの能力 、1日当りの電子回収量[C](クローンC=電流値×時間)は12,000 [C/m2/day] 電子回収1日当りのCOD削減量[mg/m2/day]は1,000 [mg/m2/day]、ちなみに全国の干潟の平均COD平均除去量 221 [mg/m2/day] である。 ②充電能力 0.18m2×15枚(アノード電極×10、カソード電極×5)により12時間で市販の単3充電池eneloop 1本(1900mAh、6840C)が充電可能となった。③0.8V、140mA/m2(110mW/m2)の世界最高レベルの出力電力を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
「浄化システムの構築と現地での汎用化実験」として、本期間では現地で実用的に浄化、エネルギー回収できる電極の設置を目指した技術開発を行う。大量の有機泥とともに様々なガレキの堆積もある劣悪な環境下にある河岸のヘドロ堆積場において、容易に設置(散布)できる、高効率の浄化と電力回収を継続的に維持できることを実現する。この際、高い電圧電力を回収するため蓄電、放電を組み合わせた昇圧システムを構築する。室内で安定して電力を回収できる方法であっても、現地での適用には様々な問題が生じる。装置の干出、生物やゴミの付着、さらに波、流れ等不安定な環境下でSMFCを機能発揮させるため装置の簡素化、生物等の付着効果の把握を重視して研究を行う。
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