研究課題
建設業界においても地球温暖化防止のためにCO2排出削減が求めらている。中でもコンクリート構造物製造時にはセメントを必ず使用するが、セメント製造時のCO2 排出量抑制の観点から,混合セメントの利用拡大が求められており,ASR や塩害などの耐久性改善も期待されている.一方,混合セメントは硬化初期の強度発現が遅く,特に寒冷期の使用にあたっては養生温度や養生期間など留意すべき点が多いため,実際の工事においては普通セメントに変更される場合も見受けられる.また,高炉セメントを用いたコンクリートは,普通ポルトランドセメントを用いた場合よりも塩化物供給下の凍結融解作用によるスケーリング劣化が大きく,凍結防止剤を散布する積雪寒冷地においてはその対策が必要となっている.そこで本研究では,これらの課題解決に向けて,硬化促進剤と凍害抑制剤を用いた高炉セメントコンクリートの強度発現とスケーリング抵抗性について評価を行うことを目的とした.その結果、適切な空気量と凍害抑制剤を加えた高炉セメントコンクリートにおいてスケーリング抵抗性が向上することを明らかにした。また、亜硝酸系の硬化促進剤を用いた高炉セメントコンクリートの初期強度発現が向上することを確認した。このことから硬化促進剤と凍害抑制剤の併用により,高炉セメントコンクリートの初期強度発現とスケーリング抵抗性を改善可能なことを本研究より明らかにすることができた。しかしながら、凍害抑制剤がスケーリング抵抗性向上に及ぼすメカニズムについては明らかにできていない点もあるため今後の課題として残された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cement Science and Concrete Technology
巻: 72 ページ: 10~17
10.14250/cement.72.10
巻: 72 ページ: 114~121
10.14250/cement.72.114
コンクリート工学年次論文集
巻: 40 ページ: 765~770