研究課題/領域番号 |
16H04460
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
後藤 伴延 東北大学, 工学研究科, 准教授 (20386907)
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研究分担者 |
早瀬 敏幸 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30135313)
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
長谷川 兼一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (50293494)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 建築環境・設備 / 温熱生理 / 人体シミュレーション / 体温 / 血圧 / 血流量 / 熱中症 / ヒートショック |
研究実績の概要 |
1. 生理量測定実験:人体生理反応の解明および検証用のリファレンスデータ収集のため,被験者2名に対して室温や湿度が異なる6つの条件下での生理量測定を実施した。特に,我々が過去の実験において測定してこなかった代謝量・部位別発汗量・心室容積変化・静脈血流量の測定と,耳内温度の再測定を中心に実施した。実験の結果,低室温条件では一定時間経過後も代謝量と放熱量に大きな差があること,高温条件において四肢の深部静脈の血流量がほぼ変化せず,表在静脈の血流量が大きく増加することなどが観察された。 2. 物理モデルの改良とモデルパラメータの同定:血圧・血流量を予測する循環系モデルについて,Core・Muscle・Fat・Skinの体組織別の血液供給を再現するための改良を行った。1 および過去の実験に基づき,循環系モデルのパラメータを同定した。 3. 生理モデルの検討:1 の実験結果に基づき,発汗モデルについて検討した。深部温度シグナルと皮膚温度シグナルを一次結合または乗算的に統合して発汗量との対応をみた。今回の実験結果では,乗算的に統合した方が発汗量との対応が良かった。 4. 体温・血圧・心拍数のフィールド調査:20代~70代の男女計6名について,日常生活における体温・血圧・心拍数の連続測定を冬季に実施した。この調査で,暖房室から非暖房室への移動に伴う大きな血圧変動などが観察された。また,冬季の室内外の移動による血圧等の変動を観察するため,20代~40代の男女計9名について介入調査を実施した。その結果,BMIや年齢が高い人に大きな血圧変動が生じる傾向がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
従来使用してきた鼓膜温度の測定器に欠陥が発見されたため,過去の実験の一部について再実験を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
上記の理由により,体温予測のための熱回路網モデルの検証と改良に遅れが出ていることから,これを重点的に推進する。一方,人体モデルを非定常に拡張する上でのリファレンスデータを取得するため,新たな条件下で被験者実験を実施する。また,最終年度に予定しているモデルの適用性検証に備えて,体温・血圧・心拍数のフィールド調査を小規模であっても継続する。
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