研究課題/領域番号 |
16H04473
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神吉 紀世子 京都大学, 工学研究科, 教授 (70243061)
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研究分担者 |
小浦 久子 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (30243174)
工藤 和美 明石工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (40311055)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 動的オーセンティシティ / 文化的景観 / 計画体系 / 国際共同研究 / フィールドスクール / インドネシア / ドイツ・ルール地方 |
研究実績の概要 |
2019年度は順調に進んだが新型コロナの影響で3月以降を繰り越すことになった。当初予定の1)フィールドスクール開催と成果検証、2)国際的共同議論・交流を行うための体制づくり、3)文化的景観の保全にかかわる計画体系化の分析のための情報収集、の3つの研究計画は次のように進めた。 1)ジャカルタでの第2回フィールドスクールを2019年9月16-21日にジャカルタ特別州等の協力も得て開催しスクールを通じて州の施策の一部も決定される成果を得た。これまでのバリ島フィールドスクールのまとめについてインドネシア・ヘリテージ・トラストとの議論が実現したが、研究会は繰越後にオンライン実施となった。タイ・バンコクでのタマサート大学とのフィールドスクールは2019年11月21-25日に実現し、中規模開催のフィールドスクールのひな型を得た。 2)インドネシアよりAdishakti博士を招聘し2019年6月29日に京都市内でセミナーを開催、ジャワ島中部地震の被災地Imogiri地区の復興過程と文化的景観の再生の成功例に即して長期の地域づくりにフィールドスクールがもたらす成果を明らかにした。これと、ジャカルタ・フィールドスクールの成果を重視し、アーヘン工科大学との研究まとめの研究会開催調整を踏まえて、3月にインドネシア現地の確認調査を予定したが、繰越しとなった。 3)では①中国・南京市歴史的住宅地区、②米国・ニューヨークブルックリン地区のジェントリフィケーションの中で動的に保全されている景観の調査、③京都市伏見区のスプロール地域の動的オーセンティシティ調査、④兵庫県養父市・明延地区の鉱工業跡地の文化的景観評価調査、繰越り後になったが⑤北海道中標津町の文化的景観活用の変化状況調査を行い、情報の収集が進捗した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2月末までは順調に活動できたが、新型コロナの影響で3月の調査予定がすべてストップした。このため、やや遅れていると評価した。3月に実施できなかったインドネシア等での現地確認調査は2020年度になっても代替実施には時間がかかった。オンラインでの国際共同研究の方式を相談しつつ、インドネシアとの協力者との間で複数のオンラインの研究会設定協力を得られ、2020年度末までの繰越期間に概ね予定を達成した。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は本来最終年度であった。2019年度分の繰越しと同時進行を行ったものの、やはり新型コロナで相互渡航ができない影響は極めて大きいものだった。1年繰越しの間に進めたオンラインでの国際共同研究の手法が、研究に関わる関係者の間で概ね定着したことから、最終年度分も繰越しが発生したが、最終段階には成果を達成できる見込みが得られている。なお、オンライン化には、準備作業と実施に時間と人手が大幅にかかることが判明しておりそれらに対処するよう研究計画を一部見直した。
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