研究課題/領域番号 |
16H04476
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山崎 寿一 神戸大学, 工学研究科, 教授 (20191265)
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研究分担者 |
三輪 康一 神戸大学, 工学研究科, 教授 (10116262)
山口 秀文 神戸大学, 工学研究科, 助教 (60314506)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 過疎地域 / 震災復興 / 地域づくり / 持続性 / 建築デザイン |
研究実績の概要 |
本研究は、地方、農村の地域と計画の持続性に関する研究である。この研究では、「地域」を集落や都市の集住体、「計画」を地域計画・政策、地域づくり、建築・環境デザインと捉え、研究を進めている。本年度は、4月に熊本地震が発生したこともあり、従来の能登半島地震被災地、東日本大震災被災地、阪神淡路大震災被災地に加え、熊本地震被災地についての現地調査、資料収集も行った。特に2016年度の研究の過程で、建築・環境デザインが地域の文化や景観の持続性と深く結びついているという観点から、計画の範疇のなかのデザインに重点を置いた研究もスタートさせた。以下、その概要を整理した。 (1)これまでの能登半島地震被災集落における研究蓄積の整理、再分析を行い、最大の被災地である道下集落において、被災後約10の変化の実態から、震災復興後の地域づくりの課題について分析を進めた。 (2)阪神淡路大震災被災地のまちづくりについて、まちづくり協議会による復興まちづくりを推進した神戸市を研究対象に、まちづくり組織に関する情報を収集しまちづくり協議会のリストを作成した。そのまちづくり協議会の活動の変遷と自治会との関係、世代交代に着目して、その発展・継続に必要な要因を明らかにした。また、神戸市近郊の市街化調整区域にある農村集落の里づくりの展開とその評価を進めた。 (3)熊本地震の被災状況、復興状況について現地調査、現地研究者との研究打合せを行った。 (4)建築・環境デザインの持続性に関して、日本建築学会農村計画委員会(研究代表者が委員長を務める)主催の日韓国際セミナー(公開研究会)を地方歴史都市・金沢で開催し、本研究の成果を踏まえた伝統文化・田園文化の持続的デザインについての研究報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画の持続性に関して、これまでの研究の過程で、建築・環境デザインが地域の文化や景観の持続性と深く結びついているという実感から、計画の範疇のなかのデザインに重点を置いた研究もスタートさせたので、若干研究の方向性を変更させた。また熊本地震に発生により、研究対象を広げることになった。これらは当初の研究計画を変更している。 研究としては充実したが、研究成果の開示において当初の研究計画から若干の遅れがある。
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今後の研究の推進方策 |
神戸大学の研究室に研究を進める基礎的な設備は整備されている。また、研究課題に関連するこれまでの現地調査資料、統計・専門書などの資料の蓄積と合わせ平成28年度に入手した資料を活用して研究を進める。 本研究は3名で行うが、各調査フィールドでの調査蓄積があり、調査協力者・専門的知識の提供者がいる。これら協力者は研究代表者のこれまでのフィールド研究における現地協力者であり、協力して研究を進めていく。また、研究室学生の調査補助、調査研究資料整理により効果的に調査研究を行う。
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