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2018 年度 実績報告書

近世指図の作図技法・描法の展開に関する研究Ⅴ‐建地割編年指標の再検討‐

研究課題

研究課題/領域番号 16H04485
研究機関熊本大学

研究代表者

伊東 龍一  熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (80193530)

研究分担者 斎藤 英俊  京都女子大学, 家政学部, 教授 (30271589)
吉田 純一  福井工業大学, 工学部, 教授 (40108212)
後藤 久太郎  宮城学院女子大学, 学芸学部, 名誉教授 (50086104)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード江戸時代 / 建地割 / 指図 / 作図技法 / 描法 / 中世 / 墨糸
研究実績の概要

奈良県・長谷寺、東京都・大田区郷土博物館の木原家文書、大分県・宇佐神宮の調査を実施し、以下のような結果を得た。
長谷寺の建地割は楮紙が多く、一部には泥間合紙を含む。太い墨線は、線の両側に枠線を引いて、内部を塗る。屋根の曲線は、線から離れて平行なヘラ筋の曲線が残っていて定規に当てて描いていることがわかる。細い線は中心に墨が付かない部分があるので道具は筆ではない可能性がある。針孔は丸瓦中心に認められ、ヘラ筋が柱心、組物、絵様輪郭、屋根引き通し線、茅負下端等にある。表現としては、妻飾を描き、小屋組を描かない。垂木を描くが、桔木は描かない。明治15年の三重塔の図では、見えない部分を朱線で描く。与喜寺本堂の図も同様である。また、「(一間社流造)」はGLを引くのに墨糸を用いる。
大田区立郷土博物館所蔵木原家文書の建地割は、平面図と共に描くものが多い。ただし裏打ちの影響かもしれないが、針孔やヘラ筋などの技法が確認できなかった。いずれも上質の雁皮紙を使用していることも合わせて考えると、設計内容決定後に描かれた保存図である可能性が強い。
宇佐神宮の建地割は「天文四年 宇佐宮上宮指図」である。表面には、宇佐神宮上宮の配置図を描く。現在は裏打ちされているが、本紙裏面には「天文四季未七月廿日一之御殿御造栄之時/此指図仕置者也/藤原 次良左衛門尉」の裏書があり、指図が天文4年(1535)に描かれたことが判明する。この裏面に八幡造を描く建地割がある。これは幕末に造営された現本殿立面とほぼ一致する。技法的には墨糸の使用が注目される。墨糸の使用例は、永禄2年(1559)の談山神社本殿造営図並所用具図(奈良国立博物館)、元和期の毛利家指図など、江戸初期以前に作成された図が多い。したがってこの図は、天文4年をそれほど下らない時期に描かれた可能性が強い。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 近世指図の作図技法・描法の展開に関する研究 その1 「円覚寺仏殿地割図」の復原2019

    • 著者名/発表者名
      多米淑人・吉田純一・伊東龍一・斎藤英俊・後藤久太郎
    • 学会等名
      日本建築学会
  • [図書] 日本の建築文化事典(「第2章 伝統的なつくり」の「設計図」を伊東が担当)2019

    • 著者名/発表者名
      伊東龍一ほか
    • 総ページ数
      750
    • 出版者
      丸善出版

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公開日: 2019-12-27  

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