軽量金属材料の強化相として期待される長周期積層秩序構造の形成機構が2段階の特徴的な相転移過程を経ることを前課題で発見したことに基づき、その詳細な機構の解明をおこなうとともに、類似組織を示す別物質系の組織形成過程を比較することを目的として、LPSO材料については構成元素の一部置換の及ぼす相転移のカイネティクスへの影響を調べるとともに、新たに高角回折やXAFSを取り入れて調べ、別物質としてはブロック共重合体の自己組織化を調べた。その結果、階層的相転移が起こる原因は2種類の変態駆動力の作用する反応速度が大きな因子となっていることがわかり、階層ごとの相転移完了を必ずしも待つ必要はないことが示された。
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