研究課題
基盤研究(B)
温度／電界／力学負荷からなるマルチ負荷条件下におけるニオブ系無鉛圧電セラミックスの動的疲労現象を、有限要素解析プロトコルを組み込んだ「インバース法」、抗電界を上回る電界付与を可能とした「ハイパワーインピーダンス法」、酸素結合状態の解析が可能な「軟エックス線分光法」を併用して調べた。その結果、グレイン／ドメイン単位の疲労現象以外に、さらに構造階層が小さな、ペロブスカイト結晶構造中の酸素結合力やイオン分極量の低下も、圧電特性の劣化に寄与していることを明確化した。
電子セラミックス
本研究では産業要請が強い圧電材料の無鉛化および高負荷耐性化に向けて、高負荷環境下での圧電諸物性における疲労特性やこれに及ぼす各構造階層の役割について、従前には報告例が乏しい新たな分析・解析手法によって、定性および定量的に精密評価した。その結果、環境対応の思想がまず先行した無鉛圧電材料において、実用化に繋がる本質的な基盤研究が進み、環境調和性を有する高性能無鉛圧電体の材料設計指針を得るなど重要な知見を得た。
