1173Kの比較的高い温度にて固溶化処理を施したセミプレシャス合金の一つであるAg-20Pd-17.7Cu-12Au alloy (G12)は銅リッチなα1相、銀リッチなα2相および金属間化合物であるβ相の三相から構成されていた。この場合、α1相のような高銅濃度領域が部分的に溶解し、その後、α1相、α2相およびβ相が冷却時に再析出した。一方、従来の溶体化時効したG12のミクロ組織は少量のβ相を有するα1相およびα2相にて主に構成されていた。1173KでSTしたG12の引張強さおよび疲労限はSTAを施した同合金のそれらと比較してやや低下したが、ビッカース硬さは同等の値を示していた。
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